このDVDは、2006年の初来日講演とインタビューを構成し解説を加えたものです。認知症の人の本人が語る本人体験を学ぶ貴重な映像として、多くの認知症ケアに携わる専門職、認知症ケアを学ぶ学生、介護家族にご覧いただいています。
クリスティーン・ブライデンさんは、1995年に46歳で、アルツハイマー病と診断されました。診断当初、彼女は3人の娘をかかえたシングルマザーで、オーストラリア政府の要職につき多忙な日々を送っていました。クリスティンさんは、告知を受けた2年後、ポールさんと出会い結婚しました。現在は夫のポールさんや家族に支えられながら、認知症の体験を綴った本を世に送り、また講演活動を続け、世界中の多くの認知症の人々や支える家族に、勇気を与え続けています。
これまで認知症の人自らが、自分の体験を言葉で伝えられるということは、あまり例がありませんでした。現在では彼女の勇気に後押しされ、たくさんの人々が発言するようになり、「認知症」という病気のイメージが大きく変わろうとしています。
この映像をご覧になるとき、彼女の貴重な話を、あなたの身近な誰かと置き換えて聞いてみてはいかがでしょうか。認知症を持っている人が日々どのような体験をして、どのようなことに困難を感じているか、そしてどのようなケアを求めているかを、そこから知ることができるでしょう。
活用例
DVDは、3つのパートにわかれています。
パート1 認知症の旅がはじまった頃 21分
パート2 認知症の人の体験 16分
パート3 認知症の人から求められるケア 19分
パート1は、認知症の人本人や家族が体験する、診断を受けた当初の困難な状況や、この時期の必要な支援とは何かについて考えます。パート2では、認知症の人がその障害のために、日常生活の中でどのような体験をしているかについて学びます。パート3では認知症の人が求めるケアについて学びます。
認知症ケアを仕事としている方々への研修、認知症介護実務者研修や、家族会、介護教室、地域住民への認知症啓発など、認知症の理解を深めていただくためのさまざまな場面でお使いいただけます。
映像をより役立てるために、小冊子『認知症の人から学ぶ 活用読本』が付属しています。各パートの解説や研修で使えるワークシートなどを収録しています。
・小冊子
パート1 認知症の旅がはじまった頃 21分
パート2 認知症の人の体験 16分
パート3 認知症の人から求められるケア 19分
講師紹介
クリスティーン・ブライデン
認知症当事者 認知症啓発活動家
オーストラリア在住。1995年に46歳で、アルツハイマー病と診断。診断当初、オーストラリア政府の要職につき多忙な日々を送っていた。告知を受けた2年後、ポールさんと出会い結婚。
その後、認知症の体験を綴った本を出版し、講演活動をおこなう。世界中の多くの認知症の人々や支える家族に、勇気を与え続けている。
2004年のアルツハイマー国際会議(京都)では、認知症当事者として自らの思いや希望を発言。日本での認知症当事者運動の先駆けとなった。
著書「私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界」、「私は私になっていく」、「扉を開く人クリスティーン・ブライデン」、「私の記憶が確かなうちに」(クリエイツかもがわ)、「認知症とともに生きる私」(大月書店)
作品詳細
タイトル:認知症の人から学ぶ~クリスティーン・ブライデン講演より~
出演:クリスティーン・ブライデン、ポール・ブライデン
日本語吹き替え:中里雅子
監修:永田久美子
構成:沖田裕子
製作・著作:認知症介護研究・研修東京センター
分数:56分
制作年度:2004年(2007年修正版)